いつもの日々

わたかぜの忘備録。映画、アニメ、小説などの感想をメインに

映画 「スポットライト 世紀のスクープ」 感想 カトリック教会の隠された真実

カトリック教会の神父の子供たちへの性的虐待の事件を報じた新聞記者たちの話。

新聞記者が事件の当事者たちを訪ねインタビューをする、ひたすらその繰り返しです。事件の全貌を明らかにする過程を地味ですが丁寧に描いていました。

"神父の全体のうち6%が性的虐待をしていると考えられる。ボストンの神父は1500人ほどだから90人は性的虐待をしていることになる"
私はこの事件を知らなかったのでこのシーンには大変驚きました。
現実ではどうだったかというと、アメリカのCNNによるとアメリカ全体で4%もいたそうです。その数4450人。虐待件数は1万件を超えるとのこと。
小児性愛者が神父になるのか神父になったから小児性愛者になったのかは分かりませんがいくら何でも多すぎで怖い。ただの小児性愛者じゃなくて性的虐待をする小児性愛者だからもっとやばい。

 

映画の中で新聞記者達もその事実の酷さに衝撃を受けています。
元タクシー運転手の熱血記者レゼンデスが同僚のファイファーの家に訪れたシーンで、自分の中で何かが壊れた気がしたと言っており、ファイファーももうミサに行けなくなったと言っていました。

私は神様と言うのをあまり信じてはいないのでこの事実を知ったカトリック教徒の衝撃はあまりわかりません。
強いて挙げるなら子供の頃の父が近かったです。山に虫とりに行ったり海に魚釣りやダイビングをしに行ったり、父は色んな所に連れて行ってくれて、野球や塾など習い事は何でもやらせてくれました。優しいだけではなく、駄々をこねたり言うことを聞かなかった場合は厳しく叱られ、逆らうことは出来なかったです。父の言うことは全て正しいと思っていました。自分にとって父は絶対的な存在でした。今はそうではなくなりましたがそれでも尊敬する人物です。
そんな父が実はひどい大人だったらと思うとトラウマになっていたと思います。人生がおかしくなっていたかもしれません。

子供が自分が神だと信じる存在に裏切られる。その絶望感や恐怖は相当なものでしょう。そのあまりの苦しみに自殺してしまう人がいるのも納得です。
本当にこの事件が明らかになってよかった…