アニメ「東のエデン」 感想 ニート&ニート&ニート
監督:神山健治
キャラクター原案:羽海野チカ
攻殻機動隊の神山監督とハチクロの羽海野先生のタッグによる作品。代表作のイメージが全然違うので結構衝撃。まどマギの虚淵蒼樹タッグみたいです。羽海野先生は現在放送中のアニメ「3月のライオン」の作者でもあります。3月のライオンは2011年のマンガ大賞に選ばれており、ガチの将棋バトルや人間ドラマに加え、すごいかわいい絵柄なので漫画の方もおススメです。
見終わった後、放送当時に見ていなかった事に少し後悔しました。
今回はTVシリーズのみの感想。映画版も見たらまた書こうと思います。
・あらすじ
現代日本が舞台。
現代の日本に危機感を持った亜東というおっさんが日本を変えたいと思うが末期癌で時間がないのでセレソンゲームを開催。このゲームは12人のセレソンに金と権力を持たせ、日本をより良い姿に変える事を勝利条件にしたバトルロワイヤルで、1人だけが生き残れるという仕組み。
あるセレソンがミサイルを日本に発射。
主人公の滝沢朗がニート2万人を使ってこれを阻止するも、世間とニートどちらからも裏切られ絶望し、裸で銃を持ってホワイトハウスにGO!記憶を消去する。
そこでヒロインの森美咲と出会い、過去の自分を探っていく。
その中でNo.1のセレソン、元官僚の物部と出会うが考え方の違いにより対立。
今度は60発のミサイルが発射されるがまたしてもニートの力を借りてこれを食い止める。
残りの金で滝沢朗は日本の王子になった。
アニメの前半は記憶喪失もので後半は物部との対立がメインのお話でした。
タクシードライバーとか映画の引用が多々出てきたけど、最初裸だったのはターミネーターのオマージュだったのかな。
・物部と滝沢の対立
物部はノブレス携帯のシステムを評価しており、自分が第二の亜東になろうとしています。彼の短期的な目標は既得権益にしがみつく老害と怠け者の排除。足を引っ張っている人を切り捨てて、もう一度戦後の日本精神をよみがえらせ日本を救おうと考えです。強者の味方。資本主義的です。
対して滝沢朗はニートでも直列につないでやれば結構使えるという。怠け者でもちゃんと使ってやれば大丈夫だよと。要は上に立つものがしっかり面倒見てやるべきだという物部とは反対のノブレスオブリージュ的な考え。社会的弱者の味方なわけです。ヒーロー的な存在ですね。
彼が何故これほどの自己犠牲の精神を持っているのかは謎ですが、その1つに自分を気に掛けてくれる咲の存在があったのは事実でしょう。案外咲を守りたい一心で王になろうと思ったのかもしれません。
TVシリーズではこの対立に答えは出ませんでしたが、対立の演出が非常に熱くてワクワクしながら見てました。ミサイル60発撃たれたのにそれを全部撃ち落とすなんてかっけえええ。
・ニート達
その滝沢の手伝いをしたのがすべてニートだったというのもまた面白いところだったと思います。最初の10発のミサイルの際に避難誘導したのも、携帯を直したのも、60発のミサイルの対処法を考えたのも全てニートです。
ニートもかっこいい珍しいアニメでした。