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響け!ユーフォニアム2 第8話 「かぜひきラプソディー」 感想 久美子の原点

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こんにちは。

曇り空の中、物語が着々と進んでいった第8話。

相変わらず部活を続けられるのかわからないあすか先輩の話が遅々と進む一方、今回は久美子の音楽の原点である姉の麻美子について焦点を置いた話でした。

 

・今まで"我慢"してきた麻美子

実家に戻ってきた麻美子は大学を辞めて美容師を目指したいと言います。当然親はなんでこの時期になって言い出したのかと反対して揉める。

このタイミングで言い出したのは彼女が大学3年生だからです。大学3年生の秋はちょうど就活を始める時期。自分の将来について今まで以上に真剣に考えないといけない時期です。これが社会に出る前の”最後の”選択になります。それだけにやり直しがきかない。中学、高校、大学を選ぶのとはわけが違う。もちろん働き始めてからでもやり直しはできますが労力が半端じゃない。

 

麻美子は真剣に将来を、自分のやりたいことを考えた時に、やっぱりこのままは嫌だと思った。その結果大学を辞めたいと言い出します。今まで親や先生が薦める進路に表面上は素直に従ってきた彼女も本音では我慢していた事がここで明らかになります。wixoss風に言うと選択者の理をしっかり受け入れられていなかった。

 

麻美子は母親には中学の時から美容師になりたいと言っていたそうですが、母親はそのことをあまり覚えてなかった様子。子供がプロ野球選手になりたいって言うのと同じレベルだと思っていたのかもしれません。

父親には今まで将来のことを真剣に話していませんでした。父親とのコミュニケーション不足が伺えます。

 

親が麻美子と将来について真剣に話す機会を設けていなかったのは大人である親の責任だと思いますが、一方的に親が悪いわけではない。最終的に大学進学を決めたのは麻美子自身です。そこに他者の責任が入る余地はありません。麻美子が親に自分の気持ちを伝えなかったのが原因です。そのことを彼女もわかっているから余計に歯がゆい。親にそれ以上何も言えない。

この他人の意見に流されてしまう感じは久美子と似てますね。

 

そんな本音トークを横で携帯いじりながら聞いてる久美子は好奇心が強い。変わっている子です。私なら話は気になるけど、空気が重すぎて一緒の空間に居たくない。自分の部屋に避難します。

 

・久美子の原点

彼女が音楽をやりたいと思ったきっかけは麻美子の発表会です。姉の演奏している姿がかっこよくて自分もやりたいと思うようになります。久美子にとって姉は憧れの存在でした。

麻美子が吹奏楽を辞めた時も納得できず姉に食って掛かりますが止めることはできませんでした。麻美子は音楽を辞めてしまいます。憧れの存在がそうでなくなってしまった悲しみは久美子にとって大きかった。

高校生になった今でも久美子は納得できていない。姉がきっかけで吹奏楽をやっている以上なかなか受け入れられないんでしょうね。麗奈の前でも感情を爆発させてしまうほどに。

 

そんな姉の経験があるからこそ、あすか先輩が部活を辞めるか辞めないのは久美子にとって一大事です。久美子は”吹奏楽を辞めなかった姉”の姿をあすか先輩に重ねています。「辞めないですよね」と繰り返しあすかを問い詰めたのもそのためです。しかしあすか先輩には姉と同じように、あまりしつこいと口縫っちゃうよとあしらわれてしまいます

 

斉藤葵

凡人として、音楽を辞めたものとしての彼女の存在は、全国を目指す吹奏楽とは対照的。音楽の才能があって毎日必死に練習を続けている人ばかりではなく、このような人もちゃんと出てくるのはユーフォらしくて好きなところです。

彼女についてもっと知りたい方は以下をどうぞ。なぜ彼女が「あの子(あすか)もちゃんと人間だったんだね」と言ったのかわかりやすくなると思います。

http://tkj.jp/info/euphonium/backnumber/#no03

 

幼馴染の秀一

今回は秀一がMVP!これまで久美子の1番近くに居たのがが麗奈だっただけにマンションロビーでのシーンは印象的でした。姉と久美子を取り持つのは幼馴染の方が適任です。まさに幼馴染パワー爆発といった感じの8話。

秀一のナイスアシストによって麻美子はかつて河原で久美子にトロンボーンを演奏してあげたのを思い出します。幼い久美子との日々。しかし同じベンチに座ったはいいがあの時何を吹いてあげたのか、あの時自分はどう感じていたのか”忘れて”しまった。あの頃は桜が舞っていたが今舞っているのは枯葉。懐かしさ、悲しさ、自虐いろんな感情が入った「忘れた」。沼倉愛美さん最高!!

あの日々を懐かしく思った麻美子は久美子にCDを借りに行きます。

 

9話が待ち遠しいです。