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くそったれな幻想世界―― 『CHAOS;CHILD』(カオスチャイルド) 感想 TRUEルート

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妄想科学ADV「CHAOS;CHILD」Official Website

 

現在アニメ放送中のカオスチャイルド。妄想科学アドベンチャーシリーズの第4作目です。
原作がセール中で2000円。安さに釣られやり始めたらめちゃくちゃハマってしまい、ずっとやってました。シリーズの中でプレイしたのはシュタゲだけですが、カオスヘッドはアニメの方を見てたので今作の世界観はちょっと懐かしかったです。ipadiPhoneだと好きな体勢でプレイできていいですね。以下感想。ネタバレ注意。

 

 

尾上世莉架

「私から、"目的"を奪わないで!
生まれてから、いろんな人の心を読んできた!みんな悩んで、迷ってる。
それでも生きてるのが信じられない!
なんで笑ったりできるのっ?それが何のためか、自分でわかってないのに!」

―over sky end 11章

尾上世莉架は宮代拓留のイマジナリーフレンド。彼女の至上目的は拓留にやりたい事を与え、それを叶えさせること。その為に現実の世界に生み出された。

世莉架は拓留を肯定する為の存在。年下でアホっぽいのも拓留が"情強"なのを肯定するため。だから決して彼を否定するようなことはしない。

over sky end√終盤の彼女や誕生した理由だけ見てるとロボットみたいだが、彼女にもちゃんと人としての感情は存在する。その感情が爆発したのが上記の台詞。

TRUE√を終えた後だとさらに見方が変わる。彼女はカオスチャイルド症候群に罹っていなかった。そんな中で過ごしていた彼女の心情を想像できる屈指の名場面。

 

宮代拓留が情強にこだわる理由
そもそも情強、情弱とは何なのか。ある情報が本当に正しいかどうかは関係なく自分が望む情報だけを信じるのが情弱。情強とは常に正しい情報を追い求める存在。

拓留が情強であるのに拘り始めた原因は幼少期にある。親からネグレクトされており、強い孤独や劣等感を抱えていた。イマジナリーフレンドに傾倒していたのもそのせい。自分を愛してくれる、肯定してくれる存在に飢えていたのだ。そこで、周りの子供達と違って両親に愛されていないのは自分が"特別"だからと思い込む事で現実を乗り切ろうとした。辛い現実を受け止めきれなかった。だから拓留は自分が"特別"であることに異常に拘る。その"特別"である身近な存在が"情強"だったのだろう。

 

ニュージェネの再来事件の犯人が世莉架だったのを知った時の衝撃たるや。
拓留は自分が情強であるとずっと思い込んでいたが、いつも身近にいた幼馴染が何を考え、何を思っていたのかさえ全く分かっていなかった事実に打ちのめされる。彼女の言動は全て自分の願いに基づいた物で、彼女は全て拓留の為だけに行動していた。結衣が死んだのも乃々が死んだのも大元の原因は自分。拓留は自分が願った事を忘れ、世莉架を表面上の言動のみで判断していた自分の愚かさを知る。そして自分が情弱であったことに気付きそれを受け入れた。
だからカオスチャイルド症候群から帰還できた。

 

劣等感を持っているがそれを受け入れられず、自分は特別だと思い込む。自分は優れていると思い込み幻想の世界を作り上げる。そんな事をしても現実世界の自分は何も変わらないというのに。
拓留の作る幻想世界は極端だったが、大なり小なり自分に都合の良い幻想世界を作る経験は多くの人が持っているのではないだろうか。だからこそ拓留と世莉架の別れは悲しいが、尊く希望を感じる清々しい物になったのだ。

 

・雑感。

over sky endのラストについて。世莉架は”普通の幼馴染”として拓留に再構成され、カオスチャイルド症候群から帰還した拓留と逃避行。Happy End。TRUE√のラストと真逆なEND。というのが私の解釈なんですが、これだと警察の警備をどうやって突破したかがわからないんですよね。二人とも能力がない筈なのに。

それにしても事件の真犯人や、カオスチャイルド症候群の真実など二転三転するシナリオすごく楽しめました。同じようなゲームだとナツユメナギサやリトバスがありますけどあれらに匹敵する面白さでした。

ノベルゲーってアニメや映画、小説と違って掛ける時間が数倍以上なので、作品に対するのめり込み度合いもその分深くなってすごい面白い。しばらくはカオスチャイルドロス症候群のまま過ごすことになりそうです。

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