アニメ「selector infected WIXOSS」 & 「selector spread WIXOSS」 感想 選択者の理
2014年4~6月、10~12月に放送された分割2クールのアニメです。
現在放送中のLostorage incited WIXOSSの前作にあたります。
Lostorageの方を見ているうちに懐かしくなって見返したのでその感想をと。
当時はアニメのOPが良かったからという理由だけで見てた気がします。
今見返しても2クール目のOPはすごいよかった。映像の流れが曲とシンクロしてて見ていて気持ちいいOPとなっています。
・小湊るう子
幼い頃、彼女は大変そうな母親のことを思いやって甘えるということをあまりせず、その結果母親から「何を考えているのかわからない」と拒絶されてしまう。あまりにひどい母親です。その結果人間関係に臆病になってしまい友達もあまり作ろうとしなかった。祖母と兄とだけの世界だけでよいと考えるようになり、何かを強く求めるということもしなくなっていった。祖母はそんなるう子を心配に思っており、兄からWIXOSSで友達を作るよう勧められる。そこでるう子がタマと出会い、友達もできて、セレクターバトルに楽しみや生きている実感を見出していく。
セレクターバトルの敗者に待っているものは絶望しかない、自分には願いもない、けどバトル自体は楽しいという葛藤の中でるう子はバトルにハマッて行きました。
バトルたのしーだけで終わればよかったのですが、ここで衝撃の事実が判明します。バトルの勝者の願いをかなえるのはその人自身ではなく、ルリグだったのです。勝者とルリグは入れ替わり、勝者はルリグとなって新たな少女のもとでセレクターバトルをする。
この事実を知ったるう子はタマや遊月をはじめとして全てのルリグとなってしまった少女を救おうと考えます。まどマギのまどかのような感じです。
自分の世界に閉じこもっていた少女が友達のために行動する。
絶望しかない世界の中で希望を抱いて前に向かって進んでいく少女、すごくいい。
ただこの願いをかなえる為にはるう子は勝者にならなくてはいけない。そうなったらるう子はルリグになってしまう。るう子だけルリグのままになってしまうのではないか。
るう子はそうなってもいいと考えましたが、タマは納得しませんでした。
”少女とルリグがどちらも受け入れないといけない”というルール上、るう子の願いは叶わず、代わりに条件を満たしていたイオナ達の願いが叶ってしまいます。
ここで前半終了で後半へ。
後半はセレクターバトルの正体(タマやイオナ、繭)を暴いていくのがメインで、前半のようなるう子自身の話はありませんでした。代わりにタマがるう子の選択を受け入れていく過程がしっかり描かれていました。
・繭とタマとユキ
セレクターバトルの正体は引きこもり少女繭の自分勝手な憎しみによって生まれたバトルといったもので、中二病的だけどかっこよくもないという。環境的に仕方ない部分もあったといえ感情移入はあまりできませんでした。
繭は死んでしまっているので、繭の成長はタマとユキを通じて描かれました。
"選択者の理を受け入れる"とは選択者-selector-の選択の結果がどんなものであれ受け入れる覚悟を持つ事を指しています。だからこそ覚悟を持てたタマは最終話で「扉がないから出られない。扉がないから?違う、扉はあるんだ。それは、タマが選ぶこと!」と自分で切り開いていき、るう子の願いにも応じることができました。
・蒼井晶
晶のイオナ(ウリス)に対するイカレ具合は最高でした。赤崎千夏さん岡田麿里さんありがとう。
彼女は承認欲求の塊なんだと思います。愛に飢えている。
読モをやっているのもおそらくそのためだし、だからこそ同じ読モをやっていて自分と同じかそれ以上に人気のあるイオナを邪魔に思って破滅を望んだ。結果勝負に負け、顔に傷を負った。
心だけでなく外見まで醜くなってしまった晶はそんな自分に自信を無くしました。そんな晶のもとをウリスは訪れあなたはきれいだと言う。気にかけてくれたウリスに晶は心を開いて懐いていく。実際ウリスはるう子と戦うための駒にしか見ていなかった事が発覚すると、晶はまた壊れていく。。。
家がぼろアパートだったり、母親と仲が悪そうだったりと家庭環境がよくなさそうなのもまた可哀想。
spread 10話のセリフは今でも覚えてます。こんなに愛したいキャラもなかなかいない。
私はルリグになる…そしてまた人間に戻ったらアンタに真っ先に傷を付ける…願いを叶えて傷を治す…これから何度も何度も…アンタの体を…蒼井晶の愛が…通過していくんだよ!!
このシーンで晶は出番が最後で非常に残念でした。ちゃんと愛してくれる人と出会って幸せになってくれてると嬉しいなあ。